第28話

ここにきて初めて、担任のこれまでの言葉や顔色の悪さ等々、散らばっていた点と点が一本の線で繋がった。




「こんなの最悪だ、災厄だ、罪悪だ。」


「うんうん、そのうち快楽に代わるから大丈夫だよ。」


「直ちに退会させて下さ…「時雨ちゃんの希望表は正式に受理されたから、三年間はここから逃れる事はできないよ。おめでとうございます。」」




すこぶる爽やかに悪魔みたいな発言を吐き捨てて、パチパチとご丁寧に拍手まで添えてくれる昴晴先輩。


彼は紛れもなく、この私に詐欺を掛けた凶悪犯である。



しかしながら、こうして彼の悪行が白日の下に曝されても尚、双眸に映る相手の顔は少しも汚れて見えない。


それどころか、見る度に美しさが増している気がする。




「はぁ……。」


「性吐会に三年間縛られる事は確定なんだから、どうせなら俺達とハッピーにエンジョイするっきゃないっしょ!」




恍惚とした目で子役を見ている貴方とですか?


恍惚とした目で巨乳を眺めるあの人ともですか?



どう考えても、難易度の高い問題にできる事なら白目を向いて気を失ってしまいたい。それができたらどれだけ楽だっただろうか。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る