第22話

状況を呑み込めてもいないというのに、正面にいる美形二人は酷く歓迎ムードで話を進行していく。




「会員はあと二人いるんだけど、もう少ししたら来ると思うからその時に紹介はするね。」


「あの…。」


「活動内容は毎週月、水、金曜日の放課後にここに集ってそれぞれの性癖を語り、性欲を満たし、快感を得るってところかな。」




待て、待て、待て、待て、待て。


性癖を語る?性欲を満たす?快感を得る?



目玉が飛び出しそうな単語の連投に、開いた口が塞がらない。





「何か質問はある?時雨ちゃん。」


「質問しかないです。」


「え?そうなの?」




意外!みたいな表情をしないでくれ。誰がどう考えたって質問しかないに決まっている。


吃驚した様子の昴晴先輩は、すぐにまた殺傷力の高い艶のある笑みを咲かせて「なんでも質問して良いよ」と言葉を落とす。




一々言動や仕草が雅なせいで、この人が堂々と巨乳が好きだと放った台詞を忘れかけてしまう。



戸惑い、困惑、動揺、言いようのない不安。




幾多の感情が複雑に錯綜する最中で、私は静かに挙手をした。





「はいどうぞ。」


「あの、私は生徒会に所属したはずなんですけど。」


「うん、ここは間違いなく生徒会だよ。」


「いやでも、普通生徒会って学校行事の運営をしたり、生徒がより良い学校生活を送れるよう活動したりするんじゃ…。」




言葉を濁しながら口にした疑問の真意をしっかりと掬ってくれたらしい昴晴先輩は、すぐに合点がいった表情を見せた。

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