第21話

ここで一つ、読者諸君にお知らせだ。私の表情筋はどうやら怒涛の衝撃が原因で壊死してしまったらしい。


昴晴先輩の発言に、頬がピクピク痙攣を起こしている。





「それからこちらが城之内 雷知じょうのうち らいち。僕の幼馴染で、僕と同じ二年生。彼がこの生徒会の副会長を担っているよ。そしてもうお気づきかとは思うけれど、ロリコンなんだ。」


「ちょっとちょっと昴晴ってば、俺はロリコンじゃなくて、幼女を愛でるのが趣味なだけだっていつも言ってるじゃーん!」




はて?何が違うのだ?言い方を変えただけなのでは?


机の上に、天才子役が主演を飾ったありとあらゆるドラマのDVDを広げて恍惚と瞳を揺らしている相手は、私の視線を絡めとってえくぼを浮かべた。





「というわけで、俺の事は雷知って呼んでねん。これから宜しく、しーたん♡」




どういうわけだ。


そして「しーたん」ってどなた。ひょっとして私とか言わないでよね、だとしたら恥ずかしくて死ぬぞ。




私に向かってヒラヒラ手を振っている雷知先輩を見る限り、やはり「しーたん」は私で決まりらしい。


時雨という名前の「し」の字しか残ってない事件。

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