第20話

「それじゃあ改めまして、僕達生徒会へようこそ時雨ちゃん。」




照明の灯された視聴覚室に響いたのは、艶のある天文さんの声。


その辺のガキ大将も顔負けの強引さで、ここへと引き摺り込まれた私は二人の美形と向かい合う形で着席している。




すみません、現段階で何一つ生徒会の要素を満たしていないように見えるのですが気のせいでしょうか。




「僕はあの日に自己紹介したんだけど、覚えていてくれてるかな?」


「はい、天文昴晴さんですよね。」


「ふふっ、嬉しいな、ちゃんと覚えていてくれたんだね。昴晴って呼んでね。」




頬杖を突いて軽率に顔を綻ばせる昴晴先輩に申したい。


顔がすこぶる美しいのだから、安易に笑顔を浮かべるのはやめてくれと。



心臓に悪いではないか。実際、今だって不覚にも胸が高鳴ってしまった。





「因みにこれも言ったとは思うけれど改めて言うと、僕がこの生徒会の会長だよ。たわわで白桃のように透き通ったお肌の巨乳をこよなく愛しているの。」



ふふっとお上品に笑っているけれど、最後の丁寧な性癖暴露は不要としか思えない。



よくそんな軽やかな口調で言えたなこの人。

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