第15話

何だ今の。何だ今の。何だ今の。何だ今の。


ナンダイマノ!?!?!?




照明全てが落とされた視聴覚室内。大きなスクリーンいっぱいに投影されていたのは、艶のある喘ぎを漏らし、淫らに腰を動かしていた女性の動画。


それをオペラグラスで眺め、酷く高揚した様子で口元を緩めていた男が一人。




色々と衝撃的な光景が私の両目を容赦なく攻撃したが、何よりも問題なのはエロい動画を鑑賞していた男である。



目元こそはオペラグラスで隠れていたものの、暗い室内でも明瞭な端正な顔立ち。




あれは…。



あれは……。



あの男は………。






「て、天文昴晴。」




間違いない。あの優艶な人間を忘れるはずがない。


一度見たら記憶に刻み込まれる程に美しい男。それも私を生徒会へと誘い入れた張本人。




その男が、えっちぃ映像を観て興奮していた。





「嘘だと言ってよ、この先は桃源郷じゃなかったのかよ。」




一歩、また一歩。


説明のつかない恐怖で背筋が凍り付いた私は、本能的に後退を始める。



しかしながら、すぐに背中が柔らかい体温に衝突した。

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