第14話
いよいよ到来した放課後。
流石に初日から遅れる訳にはいかないと思い、駆け足で五階の離れに設けられている視聴覚室に辿り着いた。
右手に握られているのは律儀に「招待状」と書かれた封筒。
特段変わった様子もなければ、生徒会のプレートすらも掛かっていない扉からは、この学校の長い歴史をひしひしと感じる。
「ここで合ってるよね?」
人の気配がまるでない事に一抹の不安を覚え、便箋を改めて確認したけれどやはり間違っていないらしい。
この少しばかり古びた視聴覚室の扉の先、そこには楽で楽で仕方のない生徒会が待っている。
何なら快感すら得られるらしい。
「さぁ、私の怠惰に満ち溢れた高校生活の門出だ!!!」
弾んだ己の声が扉の前で放たれる。
正直に言おう、もうこの時点では既に担任の顔色の悪さも、挙動不審さも、奇怪でしかない発言の数々もすっかり忘却されていた。
取っ手を掴み、長い深呼吸を一つした後。理想郷へと繋がる扉を思い切り開け放った。
ガラガラガラッ
「初めまして本日より生徒会に所属する事になった一色しぐ…「あんっ…あんっ…もっと!!!もっと奥を突いて!!!!」」
「うーーーーん。これはこれは、中々素敵なおっぱい様の持ち主を僕は見つけてしまったようだね!!!!」
ガラガラガラッ
開放して僅か五秒。私は理想郷への入り口を封印した。
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