第13話

全くもって理解不能。


点と点が散らかって、一向に線で繋がる気配はない。




唯一残されたヒントと思しき封筒。勿体ぶる理由もないので躊躇なく開封した。




「一色時雨様…本日の放課後、五階視聴覚室にて待つ。君の加入を我々は心から歓迎する。会長、天文昴晴。」




声に出して読み終わったと同時に、眉間に皺が寄った。


何だこれ、何の変哲もない至って普通の案内状ではないか。



挙動不審だった担任に手渡された物だから、てっきりとてつもなく奇怪な内容が記されているのかと思っていたせいか、拍子抜けしてしまう。





「先生、更年期なのかな。」




最終的に私が出した結論はそれだった。


女性の更年期は酷く大変だと聞くから、きっとそうに違いない。



広げていた便箋を折りたたんで封筒に戻した私は、変に張りつめていた緊張を解きながら午後の授業が開始する教室へと急いだ。




本日より私は生徒会の活動に参加するらしい。


どうして生徒会なのに、指定場所が視聴覚室だったのだろう。




心にポンっと浮かんだその疑問が、数時間後には強烈な光景と共に打ち消される事をこの時の私は知る由もなかったのだった。

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