第11話
翌日、職員室へ呼び出された私は顔色の悪い担任に迎え入れられた。
「一色、希望表を受け取ったよ。」
「はい。」
「………まさか一色にそんな趣味があったなんてね、知らなかったわ。」
「はい?」
ファンデーションを丁寧にあしらい、チークも口紅も乗せているはずの担任の血色がすこぶる悪い。
デパコスがまるで太刀打ちできていない。
しかもその元凶はどうやら私にあるらしい。一体どういう事だ。
周囲の教師の目を伺うようにきょろきょろと辺りを見た後、担任は改めてこちらへと双眸を向けた。
「残念ながら貴方の希望表は受理されました。」
「残念ながらとは?」
「残念ながら一度所属した部活又は委員会は、三年間抜ける事ができないです。」
「残念ながらとは?」
「一色、私はとても正気の沙汰とは思えないけれど、どうか無事に卒業できる事を祈っているわ。」
「先生、私の質問に答えて貰って良いですか。」
ポンっと私の両肩に手を置いた相手の目は、分かりやすいくらい同情に満ちていた。
もっといえば、完全に私を憐れんでいた。
この不可解な状況の説明求む!!!
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