第10話

かなり土壇場だったけれど、どうにか委員会に属することができた。




明日が希望表提出の最終期限だと、口酸っぱく担任に言われていたからか、それなりにプレッシャーを感じていたらしい。


やっと私の手からなくなってくれた希望表に、ほっと胸を撫で下ろし心から安堵する。




このまま希望が決まらなければ一番多忙な陸上部のマネージャーをさせてやると脅されていたが、無事に難を逃れる事に成功した。


自分の世話でも手一杯だというのに、誰が他人の世話しかしないマネージャーをするものか。それ以前にこの私がマネージャーなんて勤まるはずがない。




天文さん曰く、生徒会は週に三回しか活動はないらしいし、何より楽で快感が待っていると言っていた。


よしよし、幸先良いぞ。きっと愉快な委員会に違いあるまい。





「よし、さっさと帰って漫画の続きでも読むとしますか!」




入学してからというもの、ずっと付き纏っていた重圧から漸く解放された私の心は清々しかった。



帰路を歩く足取りだって軽やかだった。




しかしそんな愉快な日は、たった一日で幕を閉じる事となる。

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