第6話 託された願い

第46話

『お互い強くなろうぜ。

お前は、もう二度と大事な人を失くさないように。俺はそんなお前を守れるように強くなる』

『お前が海救主ゆえに、憎しみを捨てなきゃならないなら、俺らが代わりに背負ってやるよ』

降りしきる雨の中、星利にそう言われザクラの心の傷は少しずつ癒えてきた。

「『憎しみを代わりに背負ってやるよ』か・・・」

だが、まだ立ち直れず、部屋に篭っていることが多かった。

蘭の死後以来、ずっと着ていた修行の服からやっと私服に着替えたザクラは、ベッドの上で天井を見つめていた。

---私の抱いている憎しみを代わりに背負せるだなんて。

その時、ザクラのドアを誰かがノックした。

「はい」

ザクラはベッドから体を起こす。

「ザクラ?ちょっといい?」

外から聞こえたのは鈴の声だった。

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