第37話

それから数日が経つものの、ザクラは未だに自分の部屋から出られるずにいた。

「・・・どうでした?」

治療のためザクラの部屋を訪れ、帰ってきた星香に鈴が訊ねた。

星香はため息をついて、首を横に振る。

「怪我は回復してきてはいる。でも、心がね・・・」

「そうですか・・・」

「それ、ザクラちゃんの?」

星香は鈴の持っているお盆の上で、湯気を放つ食事を見る。

「はい。お粥なら、と思いまして。食欲ないらしいんですけど、何が何でも食べさせないと・・・」

「そうね。ザクラちゃん、だいぶ痩せていたわ。食べてもいないだろうし、精神的にもね」

「分かりました。一口だけでも食べさせます」

「あまり嫌がるなら無理しないようにね?」

「はい」

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