第35話
「姉貴、春風は・・・?」
それから星香によるザクラへの処置が終わり、その間星利たちはリビングにいた。
星利たちは、星香に状況を訊ねた。
「とりあえず落ち着いたわ。でも、しばらく安静が必要ね」
星香はそう言ってソファーに座る。
「はい」
「怪我もそうだけど、過呼吸になったのは精神的ショックからね。
イルカの国のこと、蘭ちゃんのことで相当なダメ-ジを受けているから・・・」
「それにきっと、ザクラは蘭の事故をお母さんのことと重ねて見てしまっていると思います」
そう言いながら、鈴が星香にコ-ヒ-の入ったマグカップを渡す。
「ありがとう。---それもあるわね」
「とりあえず、しばらくそっとしてあげよう。
ザクラちゃん自身が吹っ切れるくらいになるまで」
「ああ」
「マルリトス、ザクラちゃんを見ていてあげてくれるか?
一応大丈夫だと思うが、今のザクラちゃんだと何をするか分からないから・・・」
「わかった」
「春風のことだから、むやみに自分の寿命を短くしたりはしないだろうけどな」
「ただ、気にかかるのはやはり、ウィ-ン・ウォンドの今後の動きだ。
海救主が吹っ切れるまでとは言ったが、果たしてそれまでに海救主が立ち直れるか?」
レオが難しそうにそう言うと、仲間たちは黙ってしまった。
「・・・とにかく、ザクラちゃんを待とう。
いいね?」
仲間たちはうなずくも、仲間を失った船内の空気は重くなっていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます