第2話 甘い、辛い
第22話
ザクラがひとつ歳を重ねて一週間が経った。
あの変な夢というものも嘘みたいにみなくなり、ザクラはすっかり元気になっていた。
「これ、肘が下がっておる!」
「はい!」
ザクラとマルリトスは、デッキの上で秘剣を使った修行をしていた。
「ザクラ、元気になったみたいで良かったわね」
「ああ」
鈴と星利は、ザクラへのお茶を運びながら、デッキの様子を見ていた。
「あのザクラでも暑さには勝てないわよね」
「『あのザクラでも暑さには勝てない』って。
春風は超人じゃねえんだから。
まあ、ジャンルによっちゃ、人間レベルじゃないけど」
「でも良かったよね。元気になって」
「ああ。顔色も良くなったし、よく食べるし。
力任せに剣振り回しているし」
「・・・最後のは私でも分かるけど、よくザクラのこと見てるのね。流石、ザクラに惚れているだけあるわ」
「なっ!?」
たちまち星利は顔を赤くする。
「もう、いちいち照れないでよ。まわりにはバレてるんだから。残念ながらザクラにはバレてないけど」
ふふふ、と鈴が口元に手をあてて笑う。
「バレてたら、こんな苦労してねえよ」
「でしょうね。ま、頑張ってくださ-い」
「うるせえ。ほら、お茶がぬるくなるぞ」
「はいはい」
鈴と星利はザクラとマルリトスに声をかけた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます