第14話

マルリトスside

「あ-あ。寝てしまったか」

汗をかいたまま眠りについた50代目を見てため息をつく。

スヤスヤと寝息を立てている穏やかな顔からして、どうやらあの変な夢をみてはいないようだ。

---さて、わしも寝るかな。

50代目の表情にホッとしながら、ベッドの近くに寄る。

と、その時。カタンと足元に何かが落ちた。

「危なっ!」

それは机の上に置いてあった、アミナス港で秘剣とともに菫が、50代目に遺したあの木箱だった。

波の影響で落ちたのだろうか。

「仕方ないのう」

起きた50代目が踏み、痛みで叫ぶ、という様子が目に浮かんだため、端に寄せようとする。

その時、開いた木箱の蓋から木箱の中が見えた。

「・・・え?」

その中身を見て、わしの思考は止まった。

「・・・なぜ、なぜ、これがここにある・・・?」

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