第47話
時が過ぎるのは早い。鈴はそう思いながらカレンダーを眺める。
気がつけば故郷を離れてから1年となる。
---桜の季節が12日も過ぎたのね。緑葉国では桜が咲いている頃かしら。
今いる場所は常夏の海上で、薄紅色の花を見ることはできない。鈴は実家の神社を彩る桜を懐かしむ。
---あ、桜といえば。
鈴は何かを思い出し、ポンと手を叩く。
---あの子の誕生日だ。
桜の季節。それは彼女にとって大切な幼馴染の生まれた季節でもある。
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