第26話

「まぁ、何よりも。あのザクラがあのままというのはこちらが気が気じゃないからね。ブチ切れて大暴れすることは最近は少なくなったけど」

旅の最中でブチ切れたザクラが『鬼姫』モ-ドになり、大暴れしたのを仲間たちは思い出す。

「今は逆に抑えているのか分かりませんが、体から怒りのオ-ラが溢れていますよね。そこで『あ-、怒ってるな』って分かりますよね」

うんうんと、仲間たちはうなずく。

「お前ら、さっきからなんの言い回しだよ」

さっきまで星利がザクラに謝るとかそういう話だったのだが、今度はザクラの怒りについてに変わった。急な話題展開に星利は何かを言い回していると感じた。

「またそのオ-ラっつうのも厄介だよな。やっぱりこれはあれか、北斗。海宝石の影響だよな?」

レオまでもが話に入っている。

「ほら言うじゃん?海宝石は良くも悪くも影響を与えるって。」

「あ-、なるほどね」

「それと、そのエネルギーが大きいんですよ。言い方が悪いけど、まわりをも蝕むというか。」

またしてもうなずく仲間たち。

「そういう訳で、星利」

「あ?」

「早いとこ仲直りして下さい」

仲間たちは重々しくハモった。

「分かりました・・・」

妙な言い回しはこのことを意味していたのかと、星利はため息混じりで答えた。

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