第25話
「ザクラが覚えてないかもですって?大丈夫よ」
「え?」
全員が鈴の方を見る。
「ちょうどたまたま昨日ね、星利くんも見たあの写真でザクラと昔話をしたの。しっかり覚えていたみたいよ」
「なんていうタイミング!」
タイミングが良すぎる出来事に星利たちは驚く。
「まぁ、隠したいなら言い方によっては上手く隠せるから。」
ポンと北斗が星利の肩を叩く。
「でもあのザクラちゃんに隠し通せるかしら?星利の下手くそな嘘が。」
はたや異常なまでに仲間を気にするザクラ、かたや不器用を体現したかのような星利。おまけに星利はザクラに惚れている。そんな状況で星利が嘘を貫けるとは思えない。
「む、無理っす・・・」
「でしょうね」
「もう、潔くよく言いなよ。下手な嘘ついてザクラちゃんにバレたら変な誤解招かれ兼ねないよ?」
「そうね」
「・・・じゃあ言うよ。あいつにごめんって。あと、銀の人魚のことも」
「おお!」
男らしいと、仲間たちは感嘆の声を上げる。
「頑張りなさいよ。ついでにザクラちゃんに告白もしちゃえば?」
姉の言葉に星利は顔を赤くする。
「ば、馬鹿野郎!謝罪と銀の人魚のことだけで
いっぱいいっぱいだっつうの!」
あたふたとする星利を見て、仲間たちはニヤつく。
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