第20話

星利side

リビングを出て派手に転んだ俺は起き上がり、自室へ駆け込む。

部屋に入りベッドを背にしてため息をつく。

「まさか、あいつが銀の人魚だったなんて・・・」

思い返せば、この真実が匂ったこともあった気がする。

「しかも大切にしていた、鱗がスパンコ-ルだったなんて・・・。どうりで朽ちていかないわけだよ」

もっと早くに気づけよ、俺。さすがに7つの頃から持っていれば朽ちて消えるはずだろ。

「・・・あいつにどんな顔をして会えばいいんだろう」

そのスパンコ-ルみたいに、いつまでもキラキラとこの思い出も輝いていれば良かったのに。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る