第21話

ザクラside

なんか星利の様子がおかしい。なんか距離をとられている気がする。

少し気になって、リビングで星利と二人になった時に声をかけてみることにした。

「ちょっと、星利」

「な、なに」

私に声をかけられて星利は驚いたみたいで。

でも、やっぱり距離をとられている。

「なんかあった?最近様子がおかしいけど」

いろいろと遠回しに訊くことが私にはできない。身内であればあるほど。

「別に。大丈夫だけど」

いつもぶらっきぼうだけど、やっぱりどこかニュアンスが違う。

---なんかある。

「本当に?話聞くよ?」

今すぐにでも逃げ出しそうだったから、思わず星利の腕を掴んだ。すると。

「だから!大丈夫だって言ってんだろ!」

怒鳴られた挙句、勢いよく振りほどかれた。

その言い方が頭にカチンときた。

「そんな怒鳴らなくてもいいじゃない?!人が心配して聞いたのに!」

「心配してほしいだなんて、言ってないけど?」

「それは、あんたの様子がおかしいから・・・」

「おかしくなんかねぇよ!」

その一言を聞いて、私はもう嫌になった。

---ああ、もういい。心配した私が馬鹿だった。

「あっそ!心配して損した!」

私はそう言って、リビングを出て行った。

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