第17話
「お前、よくもまぁそんな恥ずかしいことをサラッと言えるな」
手の隙間から覗く肌は赤い。
「だって、事実でしょうが。その人魚がいなければ、今の星利はいない訳だし」
「そりゃそうだけど!」
「今の星利がいなければ、私だって今とは違っていたかもしれないし」
ザクラはタオルで汗を拭きながら立ち上がる。
「・・・そうだけど」
「だから、お礼を言うの」
ザクラは片付けを始めるため、スタスタと前へ歩いていく。
「分かったから、二度も言うな!もう、この人たらしは・・・」
星利は今日で何回目かのため息をもらす。
「ん?なんだって?」
ザクラが振り返る。
「なんでもねぇよ!」
---全く、うちの海救主様には敵わねぇ。
星利はそう思った。
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