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「そうなのかい? ふーん。びっくりとかしてなかったんだ」


「びっくりというか。むしろ俺の方がちょっとびっくりしましたよ。キレイな少年にしか見えなかったんですから」


「えー。男装してたんだ」


「ええ」


「それはそれは。……あいかわらず、面白い方だね」


 瑛都は立ちあがると、


「さて。それじゃあ、私はまだ仕事があるから、サボりが見つかる前に行こうかな」


 書庫の出口に向かう途中で一度振り返って、


「それじゃあ有李。しっかり、ね」


 含みをもたせた笑みを浮かべ、ひらりと有李に手を振った。



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