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「そうかい? うーん、この酸っぱさがなかなか良いと思うのだけど」
「いっつも言ってますけど、味覚少しおかしいですよね?」
「まあそれじゃ、キミには別のものをあげようかな」
瑛都は有李の失礼な発言に気分を害した様子もなく、向かい側に腰をおろす。
「ところで有李」
「なんです?」
「薔崋様がお戻りになったそうだね」
「あー、ええ、そうですねえ」
瑛都が眉をあげた。
「おや。ずいぶんと他人事のような相槌のうちかたをするじゃないか。キミがお連れしたのだと聞いたのだけど」
「ええまあ。上から打診があったので」
「なるほど。イヤだと言わずに引き受けたんだ」
「イヤだと言った瞬間、俺の首は胴にサヨナラをしていたでしょうね」
「それは否定しないよ」
くすくす笑う瑛都に、有李はムスっと眉根を寄せた。
そして、ふと思いついた。
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