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***


 その三人の男たちは、それぞれまったく違う雰囲気を持っていた。



 そのうちの一人、短めの髪をひとつに結いあげた、たれ目がちで穏やかな顔立ちの男は、心の読めない笑みをうかべて言った。


「僕らの妹は、そろそろ来るかな? 七年ぶりかあ。楽しみだね」


 すると、長い黒髪を背中でひとつに束ねた、きつい印象を与えるほど端正な顔をした男が眉をひそめる。


「……れい。本当にそう思っているのか? だとしたらお前、天変地異の前兆か」


 その言葉に、まだ幼さを残した青年がクスリと笑みをこぼした。


「思っていないと思いますよ、じん兄上。礼兄上の笑顔の裏には、いつも凶悪な殺意がありますから」


「だろうな」


「ひどいこと言うなあ、しん。僕が怖い人になっちゃうのは、特定の人の前でだけだろう?」


「……ほう」


 ふと、仁が眉をあげる。


それは礼の言葉に対しての反応ではなく、戸の向こうにあらわれた気配に対してだった。

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