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「……ふうん。顔とカラダは最高だもんな、似合うじゃないか」


 そう言いながら、令六は値踏みするような視線を無遠慮に投げかけてくる。


「……修央令六」


 薔崋が苦々しく呟くと、令六は口の端をつりあげて笑った。


「生意気なだけだったガキの頃とは大違いだな。そういう格好をすれば、ずいぶんとオンナになったじゃないか」


「……家につくなりお前の顔を見なければいけないなんて、私も本当に運がありません。昔から何度も言ってますけど、任務中にでもなんでもいいので、事故して再起不能になればいいんです」


 冷たい声で薔崋が言うと、令六はくつくつと笑った。常に人を見下して嗤っている、これはそういう男だ。


「昔、さんざん言われた言葉だな。変わってないな、あんたは。あんたこそ、とっとと兄上たちにやられたらどうなんだ」


「……」


 薔崋の表情がゆがんだことに気付いた有李が、すっと二人の間に割って入る。


「こらこら、今のはだめだろ、令六クン」


「なんだ。本当のことだろう? 戻ってきた以上は時間の問題だ」


 薔崋はゆっくりと目を瞬くと、背を向けて歩き始めた。


「楽しみにしているようだけど、残念ながら私が兄たちを討つ予定ですので、それはムリですね。その時は、ついでにお前も消してあげます」


 冷たく言い放ち、有李を置いたままさっさと立ち去る。


その後を有李があわてて追った。


「ちょっ、待て姫! 勝手に行くなって!」

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