第86話

6.欲情の回避






はぁ、愛おしい・・・・






飛龍と風龍はひとまずのミルクを飲んでいる






(やっぱり、血って争えないな・・・飛龍は私に似ていて、風龍は龍神様に似ている・・)







「可愛いだろう、二頭とも」





「あ、あの、二頭と呼ばないで下さい(笑)一応、半分人間の血が入っておりますゆえ」




「あぁ、すまぬ」






・・・・・至福の瞬間





赤ちゃんにミルクをあげている時間の穏やかさ






私の方が、癒しと力を貰っている







・・・・・・・





・・・・・・・








【・・・・蓮伽、】







龍神様の呼びかけが甘い・・・






嫌な予感・・・・






「どうしましたか?龍神様もごゆるりとお過ごしくださいませ」





【蓮伽、最近れんなが子育てに忙しすぎて愛し合えておらぬ、淋しい・・】






「ダメですよ、私はお相手することはできませぬ。れんな様がどんな思いでお子達をお世話しているのか理解されておらぬようですね。」






【蓮伽、そなたは私に優しくないな(笑)】





「龍様、なぜ私のところへ来てはいけないとれんな様が言われたか、こうなる事を懸念なされていたからです。」





【・・・・・、だが淋しい、相手をしてくれ。】





「・・・・・・龍様?」







一瞬の雷とともに人間の姿をした龍神様がこちらに近づいてきた







(マズい、マズいぞ!かっこよすぎて堕ちそうだ・・・・)





【蓮伽・・・・・癒してはくれまいか・・・・】






私とお子達をふわりと包むように、後ろから抱きしめてきた



首筋に唇を乗せ少しずつ下へと下がっていく






(マズい・・・・パワーが枯渇していて反応してしまう)





「......ぁ.....っ、んン...ッ、おやめください・・・っ、龍さ....まっ・・・」





【蓮....】






急に稲妻が龍神様に落ちた






【・・・・・っ!!】


「あ・・・・っ!!」









・・・・・・・龍神様が元のお姿に戻っている








そして、私は瞬間を見た(笑)







【ど、どうしたことだ!?】





龍神様は何が何だかわからずにいる






「あははっ、素晴らしい!」





【????】





「今の、稲妻は飛龍が犯人です(笑)飛龍の意志ですよ!素晴らしい!」






頭を撫でた




「飛龍も風龍もいい子ね♡」









【・・・・・。すまぬ。】






「龍神様、れんな様のお気持ちを飛龍も風龍もわかっているのですよ、父親の自覚が足りておりませぬ」





【・・・・・・・すまぬ。】






「今日、私が二人を預かりますゆえ、れんな様を愛でて差し上げて下さい。寝るのも大事ですが、お二人が愛に満ちている事がお子達も幸せなのです。

お帰りになり、ごゆるりとされませ。」





【良いのか?】





「もちろん!さ、一旦れんな様の元へお帰り下さいませ」






・・・・・・・







龍神様は、空へと戻って行った







(深澤くんに見られたらとんでもない事になっていたわ)







・・・・・・飛龍と風龍がこちらを見ている








(可愛いなー♡)





【じーっ・・・・👀】





「親孝行な子だこと、偉い偉い!れんな様が悲しむことはダメだよね☆」





足をバタバタさせて笑っている





(お健やかでいらっしゃって・・・・れんな様の育て方の賜物だわ)






・・・・・・・・・






深澤くんが帰って来た







手にはいっぱいのミルクを持って

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