第77話

16.温度差








結局、僕たちは外で一度愛し合い







何事もなかったように、しっかりと薪用の木を集めて戻った








蓮伽さんは、まだしっとりと淫靡な空気を纏っている







「私達ってさ・・・中年なのに盛り付きすぎだよね・・・」








あきれたように呟いてはいるが、しっかりと絶頂を迎えていた蓮伽さん







「嫌....だった?」





チラッと顔を覗くと、







「興奮しちゃった♡」




と、照れ笑いしている








〈この、アンバランスな感じ、いいんだよな・・・・〉









リビングの様子を見ると、だらしのない僕たちの空気とはまた違う空気が部屋を覆っていた








〈張り詰めているな、、、〉









「ねぇ、二人にして良かったのかな?」



「え、今?笑。少なくとも、お互い向き合うなら早い方がいいじゃない?いずれは答えを出さなきゃいけないから。」



「.....そっか、そうだよね・・・」



「逃げていてもいいことないから、ね」



「クスリの件、どうするの?」



「中居さんは自分でケジメを付けられると思うから、私は何もするつもりないんだ。稲垣さんの方が心配。」












キッチンに戻って食材の準備をし、リビングにいる二人に声を掛けた









「少し寒いですけど、気持ちがいいので外に食事をご用意しました。火を囲んで、食べましょう!」










・・・・・・空気が重い。








「お二方、まず食事を取って・・・それから。付き合いますよ!そして、今日必ず解決して帰って下さいね。」









〈蓮伽さん・・・・、僕たちの時間・・・・〉










〈あぁ、蓮伽さんとまぐわう事で頭の中がいっぱいだ・・・・僕はいよいよおかしくなっているのか・・・?〉










察知したのか、蓮伽さんは







「・・・・・、さっきしたでしょ?(苦笑)我慢するの♡帰ったら、いっぱい・・・ね♡」






と、耳打ちした。










・・・・・・蓮伽さんは僕をてなずけるの上手で困る。

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