第76話

~稲垣、中居ペアの刻






二人きりにされてしまった







稲垣も気まずそうだ








・・・・・





・・・・・





「どう落ち着いた?」



「・・・・はい」



「薬は、、、香取からもらったの??」



「・・・・・そうです」



「聞いてもいい?・・・・なんで、香取とそうなっているの?本気で付き合っているの?」



「本気・・・?そんなわけないですけど。私は、いつだって中居さんだけです。」



「・・・・・でも、あなた達、体の関係あるでしょ?」



「・・・・はい、体の関係だけ・・あります」



「あなたは、レズビアンじゃなかったの?」



「・・・そうですね、自分でもレズビアンだと思っていました。でも、男の人の良さも知ってしまった気もします。香取さんには感謝しないと。」




少し冷たい横顔をしている





「・・・・・なんで、香取なの??」




「なんで?・・・・・ヤキモチですか?愛する人を自分の部下に取られて腹ただしいですか?(笑)

薬漬けのキメセクを香取さんから教えこまれて、忘れられないですか??

私は、あなたを尊敬していた。仕事も出来て人格者だと思っていたのに・・・・残念です。今ではただのジャンキー。

香取さんと離れた後満たされず、私の気持ちを利用して自分の欲を満たした。

もちろん私と愛し合う時も、薬を吸ってから。香取さん・・・好きですか?香取さんとのSEXが好きですか?ただ、SEXが好きですか?

中居さんがどうしてそんな事になったのか、もう・・・・分からないです。」







怒りもにじませ、訴えて来た稲垣の顔は悲しみでいっぱいだった。






「私にあなたを救えないかと思って香取さんに近づいたけど、結局は香取さんにしてやられた。

彼は、とても人たらしで魅力のある人でしたよ。私もミイラ取りがミイラになってしまった。それでも中居さんの事、本当に大好きで・・・・

悔しいけど、それは今も変わらない。」





「稲垣・・・・」






稲垣の気持ちが痛いほどにささった






私は、何を見、何をやっていたんだろう










「・・・稲垣・・・」


「中居さん、薬止めませんか?いまなら、岩本さんがいてくれるから治せる気がするんです。」


「・・・・・・」


「どうしてですか?香取さんとのつながりが大切ですか?!」


「・・・・そうね、こんなになってもどこかで彼を愛しているのかしら、薬が快楽を覚えているのかしらね・・・ごめんなさい」


「私は、どうしても一番にはなれないんですね。」


「・・・・・」









―――――私は、何をしたいんだろうか






こんなにも、大切な人たちを苦しめて

稲垣に問い詰められても怒る資格はない






「・・・・・私はもう止めようと思います、すべて。」





「・・・・・稲垣.....、」





「そう、すべて・・・・」







そこへ、岩本さんと深澤くんが帰ってきた

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