第67話

9.人の気持ち~蓮伽&中居side






「・・・・残念ながら、そうなんです。」





真実を告げた






「何?稲垣はどう関係があるの?」



「稲垣さんの念が中居さんを纏っています。」





「生きているのに?」


「はい、俗にいう生霊です・・・」




「ん.....何でまた・・・」



「本人の意志でではないので、彼女は悪くない。思いがものすごく強いんですよ。彼女の気持ちは、、、知っていますよね??」



「ええ、知ってるわ。岩本さんはどこまで知っているの?」





前回こちらに来た時に稲垣さんから聞いた、いう事を告げた。




「私、悪いやつなのね(苦笑い」



「そうですね(笑)、でもいい人すぎるよりはいいんじゃないですか?」



「あなたは???」



「私は・・・いい人ではありません(笑)悪い事も、人を傷つけた事もしてきましたから。

今回だって、既婚者の状態で深澤くんと付き合ったし。中居さん、少しわがままな気もします。

彼女の気持ちを受け止められないなら、受け入れるべきじゃなかったと私個人は思っています。

中居さんは、彼女が許すことを知っていて傷つけている。それは、ズルい。」



「・・・・あなたにはかなわないわね、そうね、私は自分の感情を優先にしてきたせいで大切な人を傷つけてきた。

予測をしようと思えば、できたはず。でも、しなかった。その報いよね。」



「否定はしないです、それは現実ですから。でも、過去、でもある。これからどうするかだと思います。」







稲垣さんには伝えた方がいいと、話した。





「私は・・・・これだけの事をしたのに、自分で稲垣に話すのが怖い。」



「中居さんの稲垣さんに対する感情はどうなっているんですか?」



「・・・・・」




少し、押し黙っている





「香取を思っている気持ちと稲垣への気持ちは違うわ、多分。だけど・・・・・」





「だけど?」





「私、バイセクシャルなの、」





「なるほど、だから受け入れた。それは、肉体的な繋がりが先で、後に精神的な繋がりになった。か、精神的な繋がりは、実はない。とか」







中居さんは、仕事は出来るし素晴らしい人ではあるが、欠けている。

何かが、どこかが、ヒンヤリしている。








「そうね、私は自分の感情の満たされない部分を稲垣で埋めたの、きっと。」


「稲垣さんの気持ちをいつから知りましたか?」


「二人で会うようになって3回目・・・くらいかしらね。」


「・・・そうですか、何か変化が?」


「愛し合う時に、香取と自分を比べてどちらがいいか?を聞くようになってあれ?って思って」


「そうなんですね・・・愛し合う時しか一緒に過ごさない?」


「・・・・・そうね、私はそうしてしまったのかもしれない。稲垣も、体関係だけを必要としているって思っていたから」


「・・・・香取さんの穴を、稲垣さんで埋めたわけですね。」


「そうね。時系列で整理していくと、私はかなりひどい事をしているわ彼女に。」






稲垣さんへの謝罪を口にはしているが、どこか他人事というか熱を感じない。





(この違和感は一体・・・)





「では、最後に二つ。」




「えぇ、いいわよ。」





「これから、どうしますか?」


「香取さんと稲垣さん、どちらか選びますか?」








「・・・・・・・・・・」





返事に困る、中居さんをかき消すように







深澤くんと稲垣さんが帰宅した。

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