第62話

「んと・・・・、大きく分けて3つぐらいかな。」



「え?・・・っと、恨みとかの念、がよね?」






「えぇ、そうですよ(笑)」





怖い、蓮伽さんはニコニコと話している。






「そんなに?私は裸の王様だったのね・・・・」





「までは、言わないですけど。正直、近いです(笑)」





「・・・・そう、こうなったら全部受け止めるわ。」







蓮伽さんは淡々と話し始めた。








「まず、おじい様への恨みに関してはそんなに強くなさそうです、一般的な感じ。」


「恨みの一般的って何(笑)」


「・・・・あら、ホント(笑)みんなが恨み!って頭に思い浮かべるカンジ。」






わかるような、わからないような・・・・





「残りは、全部・・・中居さんですよ(笑)」





「私は・・・・何を見て来たのかしら。自分が原因の中心だったなんて、衝撃的すぎてびっくりだわ。」





「・・・・・あの、中居さん、私思い出したんですけど、国家的な感じも絡んでいると最初の頃おっしゃっていましたよね?あれは結局・・・・」


「ええ、宗教的な活動があってね、不穏な動きがあるってことで。でも、それは今回の件で特定できたじゃない?」


「あー!香取さん?!」


「そう、トゥスクルの力を使って、人の行動を操っているってわかったから。」




「・・・・・・」





僕はいたたまれない気持ちになった






彼を搔き立てているものは、中居さんへの気持ちだからだ。





彼の愛情は憎さが勝ってしまっている





〈中居さん、笑っているけど苦しいよな・・・香取さんはわかったとして、他の念は何なんだろう・・・〉





「何か、恨みを買った記憶は・・・?」






「・・・・・残念だけど、あるわ(笑)」






・・・・・・





・・・・・・






「え゛っ!!あるんですか?!!」





みんなが一斉に驚き、ハモった。






稲垣さんは、一周回って苦笑いだ。






中居さんはもはや変な顔で笑っている。








「私、出来ない人に冷たい自負があるのよ・・・それと、香取がモテたってこと・・・・」







出来ない人に冷たい、か・・・・・






仕事の関係ならわかるけど、町民、だよ?イヤ、仕事でもダメだけど・・・





みんなが不可思議な空気の中、蓮伽さんは飄々ひょうひょうとうなずいていた。






「ふんふん、なるほど・・・」






「岩本さん、わかってくれる?!」






蓮伽さんは大笑いののち、言った。






「あははははっ、全然わかりません(笑)」






僕の爆笑を誘った

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