第56話

「何か・・・・ごめんなさいね、結局内輪の事であなた達をこちらへ呼んで処理をお願いした形になってしまって・・・」






開口一番、中居さんの言葉






「やだ、謝らないでくださいよ。これは必然です、巻き込んだのは中居さんではなく、香取さんです。香取さんが、人の気持ちの弱いところを私情で利用した。

と、すれば、中居さんも被害者ですから。」


「・・・そうだけど、心が落ち着かないの。私の選択がこのような大きな事を巻き起こしたのは間違いないのだから」








稲垣さんがとても辛そうな顔をしている

蓮伽さんも気づいているようだった






「中居さん、過去の事は今言っても戻ってこないじゃないですか?悔やむのではなく、過去を振り返り何が問題だったのか?今後はどうすればいいのか?

未来にプラスになる事を考えましょう。中居さんのその思考が香取さんのネガティブな感情を呼んでしまっています。」



「稲垣さんも、ですよ。色々な出来事が起こってしまい心中が穏やかではないのも無理はありません。が、まず、考え方を変えましょう。負の連鎖は大きくなると

抑え込むのが難しくなってきます。」




「そうね、より事を大きくしてはダメね。気をつけるわ、稲垣もそうしましょう(笑)」


「・・・はい、すみません....そうですね」





蓮伽さんの話す言葉に二人からにじみ出ていたネガティブな空気が薄くなった






・・・・・ん?






おかしい、僕にも少しわかるようになっている?


人がまとっている空気の色がわかるようになっていた




「さぁ、まずは少しホッとしましょう(笑)」






「お茶を準備しますから、一息ついてください」





立ち上がる蓮伽さんを制止し、僕は準備の為キッチンへと下がった




〈・・・ん?蓮伽さんがこっちを見つめている・・・・ドキドキ〉

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