第45話

6.私たちの未来~蓮伽side








深澤くんは確認魔だ。








いつも、定期的に私の気持ちを確認する







一緒にいて、あんなにいっぱい愛し合って愛し合って愛し合っているのに!!・・・確認は怠らない







心の中に淋しさを飼っていて、エサを与えるからすくすく育っている








そして、龍神様の件。








正式には、龍神様に囚われている、という認識だ







―————―子どもの頃から、定期的に見ていた夢がある






【龍神様に巻きつかれている私と顔だけが見えない男の人】







・・・ずっと、引っかかっていた







顔だけが見えなくて、あんず色の”もや”がかかっていて・・・


でも、その夢を見た後の朝は心が温かくて穏やかになっていた事を思い出す








その後、しばらく夢を見なくなり忘れていたが


深澤くんと出逢った日の少し前に、久々に夢を見た




―————――————―”もや”は二人を包み、そのあんず色は黄金のように煌めき、夢の中の彼は私を見つめている

顔が良く見えないのに、私を見つめる視線は優しくて、漆黒の瞳をしていたのがわかるくらいに強く真っすぐだった








・・・・・そして数日後、深澤くんと会社で出逢った







あの、瞳を忘れるはずはなかった。

夢の中で私を捉えて離さなかった強く真っすぐな漆黒の瞳・・・・・









それともう一つ、深澤くんとの過去からの繋がりを確信できたことがあって







愛し合い、彼を受け容れる時の感触・・・・





カラダが・・・・忘れていなかったようだ





彼以外では、いつもの悦びは得られない事を私は知っている






ずっと、彼と一緒にいたいし、最期は彼に見送って欲しい







・・・・でも、それは私からは言えない






彼の未来の可能性を摘み取ってしまうから







私は、望まれても彼の子を産んであげられない


それだけが心に影を落とす







私は、ずるい。






この幸せをずっと感じていたいから、何も言わずに過ごしている







そう、私達の未来は、












彼の出す答えで決まる。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る