第19話

3.島の秘密【後編】






さっきより、拒絶が酷い。





(これは生きている人の感じではないな.....いつ頃の地縛念なんだろう...)





【........カエレ.....カエレ.....】






パチンと弾ける音があちこちで始まった。








「これ、ラップ音?!!」


「そう、警告音。いよいよあからさまになって来た。」







「........ブツブツ......、◆△※〇☆.....ブツブツ....」






―————―蓮伽さんが何かを呟いている。






<顔つきがいつもと違うんだけど.....何だろう。>









フワッっとした光が蓮伽さんから立ち昇り、辺りを包んだ。








【バチンっ!!】








・・・・・・・



・・・・・・・







ものすごい衝撃音と共に静けさがやって来た。








・・・・・・・





「急に静かになった、け、ど?!」


「ね、良かった(笑)下級のものは追い払えたみたい。浄化できたわー」


「軽いなー(笑)」


「そのうち慣れるよ(笑)やんやうるさい下級のは払ったから、少しは静かになるよ、さ、行こ~」









さすがだ、あっさり追い払った。




「生きてるのはちょっと処理が違うのよ、浄化が出来ないから。伝えたい事があって出て来ているケースが多いからね」


「そうなんだ、でもさ、奥に入り始めたら空気が急に冷たくない?」


「気を付けて、人、出て来るよ。」


「え゛っ?!」






・・・・・・





奥まで来ると、蓮伽さんの顔つきが厳しくなった。




「誰かいますよね、出て来て下さい!」


「蓮伽さん、マジ?!」


「マジ。」







一瞬静かになった後、岩場を歩く音が聞こえた。





・・・・・





「えぇ!!!!居る、誰か!」







・・・・・・女の人が一人出て来た。







白い着物を着ていて、顔はやつれている。





【私、助かったんですね......】







倒れて来たので抱き止めた。






「大丈夫ですか!!」








【.....水を下さい.....それと早く島から出て、戻って来ますあの人が。】





「深澤くん、お水、私の分上げて。.....あの人って?」


【今、ちょうどいない時間なんです、話は船の中で、】


「......そうね、とりあえず出ましょう。見つかると面倒そうだから」


「蓮伽さん、今出たら鉢合わせるんじゃ?」


「.....ふふっ、大丈夫。私達が着いた所、特別な入り口だから。」


「そうなんだ、じゃ、急ごう。」










女性を二人で抱え、船着き場から島を脱出した。

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