第96話 深澤くんからの電話

帰って来ても、旦那の浮気の話しやら片付け等で忙しく、深澤くんの事は思い出す暇はなかった。









一段落着いたので、バスルームへ。





衣類を脱いで体を鏡に映した。







(?!......このアザ(笑)この数((笑)))


自分の裸体に、思わず笑ってしまう。







暴行を加えられたかのような無数のキスマークで全身埋め尽くされていた。





(これ、深澤くんに送ろう(笑))





部屋に戻り、スマホを手にして裸体の写メを撮る。






(それにしても......この数。どれだけ吸われていたんだろう)





”吸われていたんだろう”ではなく”愛されていたんだろう”が正解だ。






・・・・・・





お風呂にゆっくりつかり、数日の二人でいた日々を思い出す。





・・・・・・




(私、耐えられるかな.....キモチも、体も。あれだけ愛されると、体が思い出す....修行に行く前に会いに行こう。)






・・・・・・






お風呂を上がって、さっきの写メを送ろうとスマホを見た。







(深澤くんから、メール来てる!)






少女のようにドキドキし、鼓動で周りの音が聞こえないくらいだ。





『蓮伽さん、深澤です。早く気づいて(笑)』





はやる気持ちを抑え、さっきの写メを送り付けた。







すると、すぐに電話で連絡が来た(笑)








「もしもし蓮伽さん?」


「深澤くん、はやー。」


「待ち構えていましたから(笑).....写メ、なんですか、あれ。」


「何ですかって.....見た?あのアザのような(笑)私、殴られてたのかなって思ったんだけど。」


「あんなに殴られてたら死んでるよ(笑)てか、蓮伽さんホントに悪魔ですね。」


「えーーー!どっちが?!あのアザ!」


「アザって言いますけど、あれキスマークです。」


「そうだけど.....。びっくりしたよ~。」


「いや、愛が裏返ってしました。求めすぎまして....」


「裸で歩けないね(笑)」


「裸で歩かないでください。」


「ゴメン(笑)」


「あんな、裸体写メってきて・・・すぐに愛し合えるわけではないのに...この悪女が(笑)」


「....あ!!ごめーん!そういうの全然意識してなくて・・・罪作りだね、私。」


「ホントですよ!......会いたい、蓮伽さん。」


「私も会いたい。」


「.....この写真、大切にとっておきますね。....大切?多分、毎日使います(笑)」


「使うって、なんの使い道があるの??」


「......いいです(笑)浮かばなくて。」


「ふぅーん。あ、ところで実はね、帰ってきたら大変な事が起こっていて.....」







旦那の浮気の事を説明した。







「......酷いですね。蓮伽さんが出張へ行っている間、リョウちゃんは蓮伽さんのお母さんに任せて、自分は浮気ですか...。」


「......ん?ちょっと、待って(笑)私もそうなのよ(笑)だから、酷いは言っちゃダメじゃない。しかも、あなたは浮気相手ですよ。」


「.....。そうでした、僕たちの方がむしろ酷いかも...ですね。失礼しました。」


「そうそう(笑)だから、それは良いのだけど...」


「いや、罪悪感の時間は返してって感じです。」


「まあまあ、もうそれは言いっこなしで。だけど、離婚を言い出す事に罪悪感が無くなったわ。浮気の証拠を掴んで慰謝料を請求出来るし、思ったより早く離婚できそうかな。修行に出る前には、証拠を掴んでメドを立てて行こうと思ってる。」


「わかりました。僕も明日から業務に戻ります。蓮伽さんから頼まれた歴史関係等の情報についてはちゃんとやりますね。」


「中居さんから連絡来たのね?」


「はい、申し訳ないって言ってました。」


「明日私は、母の所へ泊まりで行ってくるね。報告もあるし、今後の事もあるから。」


「そうなんですね。その後はいつ鍛練しにとか予定は....」





急に行ってしまうことになりそうなことは言えなかった。





「まだ、決まってない。離婚の事を片づけてから、行こうと思う。」


「そんなに早く片付く?」


「多分、片付くかな(笑)」





明日、母の所へ行く時に旦那の部屋にカメラを仕込もうと考えていた。

ケチな旦那の事なので、家に連れ込む可能性があるからだ。



そして、残念ながら、旦那の浮気相手にあてがある。

旦那に憑いてきている女性を見てわかった。



ので、ビックなサプライズも用意しておいた。



私の居ないところで、修羅場だ。

そして、その修羅場を実家でライブで見る事になる。





悪趣味な感じになってしまうが、仕方ない。





「蓮伽さん、明日時間ありますか??」


「明日は、夜ならある。秋祭りで、母とリョウは出かけるから。その間なら。」


「明日、迎えに行きます、車で。こないだの海、見に行きましょう。」


「ん、わかった。仕事終わったら連絡して、迎えに来て。」


「わかりました。早く会いたいです。」


「今日、別れたばかりなのにね。」


「(笑)それでも、寂しいです。」







明日の約束をして、電話を切った。

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