第95話 旦那の浮気

夜の9時ごろ、旦那が帰宅した。




私の靴を見てなのか、何故か慌てた様子でリビングへと戻ってきた。





「あ、お、お帰り。今日帰宅だったっけ?」


「えぇ、今日でした。メッセージ入れましたよ。既読が付かなかったので、仕事忙しいのかと思いました。」


「そう...最近忙しくて。」


「仕事が忙しいのは良い事です。ご飯は?」


「食べて来たのでいらない。」


「わかりました、お風呂準備してありますよ。」


「あ、あー明日の朝入るのでいい。」





そう言って、足早に横を通りすぎた。





(フワッと香る嗅ぎ慣れない香り。浮気確定かな。さて、どうやって証拠掴もう。)





違和感がある香りを普通にまとわせ、自分の部屋へとそそくさと上がっていった。






ケラケラとリョウが笑っている。

「あの匂い、パパは自分で気づかないのかね(笑)詰めが甘い、パパ。」


「まったくねぇ。」


「ねぇ、ばばちゃまは気づいてた?」


「気づかないわけがないじゃん。あ、なんかね”女の人連れて来てる”、とかまた言い出してた(笑)うちの会話は外で誰かに聞かれたらヤバいよね(笑)」


「ってことは・・・・」


「そうそう(笑)よそ様はわからないやつ。ママも意識合わせてみたら?」


「そうしてみるわ。」





浮気をされていても、不思議と怒りはなかった。

ま、自分もしているのでということもあるが、夜の営みを断った時点である程度は仕方ないなと思っていた。



”お金を払ってするのはもったいない”を豪語する旦那ではあったので、誰が相手なのかは興味はあったが。




明日、調べることにした。

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