第94話 ウザいついでに
前から気になっていた、リョウの気持ちについて尋ねる事にした。
「ついでに聞かせて欲しいんだけど、」
「いいよ、ついでに何(笑)」
「パパとの離婚についてなんだけど、本当はどう思っているの??あれば正直に。」
「正直?いつも正直に言ってるつもりだけど。」
「そう?なら良いんだけど。物わかりがいいから、逆に不安で。」
「......あのさ、まず、パパ対母娘ではないの。パパ嫌いじゃないのね、子どもとして。ものすごく大切にしてもらっている訳ではないし、溺愛もされてはいないんだけど、冷たくされてもないわけですよ。私には害がないじゃない?だけど、旦那さんとしてとか、男として、と考えるとさ....中学生の私から見てもちょっと嫌かなって。決定的な何かがある訳でもないんだけど、ちょこちょこ気になるところがね(笑)」
結構、的を得ている返答だった。
「ばばちゃまとじじちゃまは仲良かったんだねー、色々と教えてくれたよ、ばばちゃま。」
「聞いたんだ(笑)、死んじゃったのにのろけが酷くて(笑)。ホントに仲良くて、ママの事大切にしてくれてた。」
「なのに、自分の相方選びはどうして(笑)」
「ねー、不思議(笑)」
「.......パパ、過去世からママを追いかけてきたかも。」
「そうなの?!」
「過去世で、ママに命を助けられてるっぽい。」
「ママに意識を合わせると、その状況が浮かぶ。」
「えーでもさ、恩返しされないんだけど(笑)何のために来たんだろう....」
「それな。過去世から自分勝手っていう・・・(爆)」
「それな。」
どうやら、リョウは【視える】が活発らしい。
「ホントに、私と違うんだね。一族でも特殊なパターン.....ヒーリングではないという」
「ママ、多分さ、私に慈愛が....ない(笑)」
「また、はっきりと(笑)」
「......だから、ママの元へ来たのかもね。人に興味がなくてさ、私冷たいのかも....ママの子なのに。」
「リョウ.....人はそれぞれの意味があって今を生きてるの。だから、あなたが人に興味がない事も、【視える】が強い事も意味がある。あなたがそうである理由があるはず。あなたは大丈夫。思いやりがなければ、ママに報告しに来ないでしょ(笑)」
「やっぱ、ママって....ヒーリングに長けてる。ママと話すと心がほわほわする(笑)」
「あはははっ、お褒めの言葉ありがとう(笑)」
「........深澤さんと今世で出会えて良かったね。きっと、ママを幸せにしてくれるから。」
「生意気(笑)」
「あのね、じじちゃまと魂の故郷が一緒。説明がしづらいんだけど.....魂レベルが一緒!そう!そんな感じ!」
「そうなの?!それは良きこと(笑)父ちゃまと一緒なら素晴らしい!」
こんなに色々と話すのは久しぶりだった。
そして、異能力の開花。
私にない異能力なのでどんな形になっていくのか.....
少なくとも、能力者としての階級は私より上だ。
私がこの年の頃、ここまでではなかったから。
負担にならないようにこちらで気を付けていかないと。
リョウをつぶすわけにはいかない。
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