第82話 深澤くんの作った朝ごはん

リビングに戻ると、テーブルの上には朝ごはんが用意されていた。





「うわぁーーーー!なんて美味しそうなのーーー!!」


「そんなに喜んでくれると嬉しいなーー!さ、座って!食べよ!」





まるで、高級な旅館の朝ごはんのようなラインナップだ。




・ご飯

・魚のアラのお味噌汁

・卵焼き

・ブリの照り焼き

・ウインナー




「ねぇ(笑)素晴らしいラインナップだけど、なんでウインナー(笑)」


「.......。僕の好物。」




「・・・・・・可愛いっ!ウインナー好きなの?!!」


「(照)焼いたの、好きなんだ。」


「ふふふっ、そうなんだ。次、一緒に朝ごはんを食べる時は私が作るから、ウインナー出すね!」


「.........約束、ね!」







――――――ダシの聞いたふわふわの卵焼き、昨日の刺身を引いた時に出たアラのお味噌汁、ブリの照り焼き。


どれも、手間をかけた愛情を感じる美味しいご飯だった。




二人で、たくさん話して、笑って、食べた。



静かになれば、悲しくなるから。

泣いてしまえばお互い辛くなるから。



切なさから目を逸らそうと、一生懸命な二人。

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