第十三章 またここで出会う為に

第73話 藍色の空に浮かぶ満月

「シャワー浴びておいで、ご飯の支度整えておくから」





珍しく、一緒に、と言わない。






「・・・・・・・一緒に浴びると、ね、(笑)察して!」


「.....(笑)わかった。じゃ、軽く流してくるね。」


「ん、戻ったら支度の仕上げ交代して。」


「OK」







――――――――――外はもう、深い藍色に包まれて月がとても綺麗だった。


「あ、満月」





だから、感度が違ったのか、と思った。


いつもよりも求めても求めても枯渇する感覚があった。





深澤くんと交わる度、自分の中で何かが満ち満ちていくのが分かった。




まるで、自身が月かの如く。





母が、異能力を嫌がる理由が分かった気がする。

多分、交わりを強く欲するこの感覚が不快なのだ。



(色々と知ってるな、母。一度帰らないと。)






深澤くんと交代するために足早に上がった。

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