第71話 愛と欲情は紙一重

「稲垣さん、辛いね。」




キッチンから出て来た深澤くんの最初の言葉だ。





「そうだね、でも中居さんも同じくらい辛いよ。」


「そうかな?中居さん、ズルいじゃん。」


「ん、そうかもしれないけど、人間って簡単じゃないと思うし、そんなに真っすぐではいられないよ。

常識とか倫理感とかあっても、わかっているけど常識を逸脱することだってあると思うのね。

私達が昨日までにしてたコトも、快感の波の中で上げた獣のような声も...人は常識では考えも及ばないところにいると私は思うから。

そもそも、私は普通じゃ、ない。異質な能力があるでしょ。」


「.....そうだったね、僕たちは周りが考えもつかない位に愛しあってる。想像もできないくらい交わっているし(笑)」


「そうそう。中居さんも感情では稲垣さんの事を案じ、これじゃいけないって思っていても、女性としての性の部分で躰がうずくのは自然なことだし、

稲垣さんもきっと同じようにそこを求め、躰も心も一時的にでも満たされたのなら私は幸せだと思う。」


「.....やっぱり、僕はまだまだ未熟だね、そこまで相手を分かろうとしなかった。」


「それは気にしなくていいんだよ(笑).....ご飯って、何作っているの??」


「......キスしてくれたら教えてあげる(笑)」




私の上に座り、キスをせがむ。




「稲垣さん居なくなったらすぐこれ?(笑)深澤くんの頭の中は・・・しかないの??(笑)」


「そんなコトないよー・・・でも、あの気持ち良さと幸せはずっと体の中に残ってるから出来るのであればずっと繋がっていたい。」




.......どうやら、ご飯は一度お預けになりそうである。




(そんなこと言いながら私も、抱かれたかった(笑)ホントにどうしちゃったんだろう...躰がずっと、深澤くんを求めている)




「ご飯は.....??」




食い意地の張っている私である。




「ん....準備は終わってるから、大丈夫♡もう、こんなになってる.....」





既に、硬さがわかるくらいに深澤くんのソレはクッキリと膨らんでいる。




「.....んん..ッ、お風呂入ってない....ッ」



唇を重ねながら言葉を交わす。



「ん....チュッ、じゃぁ....入ろうか」






だらしない私の躰を愛おしそうに抱きかかえ、外のお風呂場へと向かった。

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