第54話 あかね空の時

夜~朝、昼と、求めあい、交わり、欲情の限りを尽くし

気がつけば夕方となっていた。






疲れ果て、寝てしまっていたようだ。






私よりも若いが、体力をかなり消耗したようだ(笑)

ぐっすりと寝ている。




(深澤くんって、絶倫....だよね、持つかな、体力(汗)

また、一緒にお風呂入ると始まってしまうので一人で入っておこう)






露天風呂へ出た。





夕日が照っていて、一面あかね色に染まっている。





(キレイ.......こんな時間まで・・・エッチしかしていないな

ちょっと、激しすぎたかな・・・)







感傷にひたり、のんびり景色を堪能していると

慌てて深澤くんがやって来た。






「ねねっ、蓮伽さん!何やってるの!」


「(爆)そんな大きな声だして、追いかけて来なくても」


「いなくなったかと思ったでしょ!!」


「えーーー??いなくはならないでしょ?」


「....いなくなるの!人は突然。」


「??そうなの?」


「.....起こしてよーー」


「逆になんで?寝てるんだからさ、ゆっくりしてたらいいのに(笑)」


「一緒にお風呂....」


「ダメ♡」


「何で!」


「また、......しちゃうじゃん(照)」


「.......いいじゃん。」


「いや、しすぎ(笑)」


「.......。」


「お腹すいたし、一旦......ね(笑)

あ、それとも...体しか興味ないの....?」


「ち、違うよ!何てこと言うの!」


「なら、一旦休憩。またね♡

今はお風呂入って、外に出ようよ~!」


「・・・・そんなの、わかってるよ、

やりたいだけで一緒に居る訳じゃないんだから。」


「ふてくされないの(笑)

私も、裸のまま一緒に居すぎると....」


「?居すぎると何。」


「........したくなっちゃうから、ね!」





不機嫌な彼の機嫌が直った。

分かり易くて、すでに笑顔がまぶしい。





「わかった、我慢するから一緒にお風呂入りたい。」




意外と頑固な深澤くんだった。



根負けして、一緒に入る。




湯船に入ると、後ろから抱きしめてキスをしてきたので

「もしや.....?」

と、警戒したが、深澤くんはサルではなかったようで

勃ってはいたがそれ以上はなかった。






「.....ねぇ、勃ってる?当たってる(笑)」


「...........ねぇ!そこを屈託なく触れてくるからしたくなっちゃうんでしょ!!

ワザとイジってるでしょ!」


「あはははっ、ゴメンゴメン。可愛いから、つい。」




お詫びのキスでさらにイジって見る。




「蓮伽さん!」




「(爆)我慢大会する?」


「嫌だ、俺、すぐ負ける自信ある。」



「(笑)」

「(爆)」







「.....幸せだね」

「うん、すごい幸せ。

こんなに好きになれる人に会えると思わなかったから」


「そうなの?今まで一度も?」

「.....ううん、大恋愛を一度した、でも痛い思いして。」

「...うん。」

「生きててもしょうがないかなって位、裏切られて、傷ついて」

「......」

「もう誰も好きにはならずに人生過ごしていこう、とか思ってたんだ。

今回もスキルアップする為に応募したんだけど。」

「(笑)私が居た。」

「そう、あなたがいた。初めて会ったのに”見つけた”感覚があって

オーラが穏やかで大きくて、近くにいるだけで傷が癒えていくのがわかった。

でも、好きになってはいけない、もう傷つきたくないっていうのがあったんだけど」

「だけど?」

「蓮伽さん、人に対しての扉が大きく開いていて・・・」

「ふふふふっ」

「うっかり、入ってしまった。」

「(笑)そっか。なんか、獲物待ってる魔女みたいな言い方だけど。」

「(爆)ある意味、魔女じゃん。異能持ちでさ、

生きてる次元が違うっていうかさ・・・」

「........一緒だよ、こうして一緒にいるじゃない。」




(深澤くんの傷、それだったのか・・・でも、まだ違和感がある。

もっと深いところに大きな傷がある気がする。)




「僕が大切にしてきたものはみんな手からこぼれ落ちていくんだ。

だから、もう人とは無駄に関わらないって決めてたのに」


「(笑)出会っちゃったね。

きっと、あの声の二人が執念で手繰り寄せた糸なんだよ。」


「それだけじゃない、僕の気持ちでちゃんと蓮伽さんを思ってる。

あきらめようと思ったけどその方が苦しかったから」


「.....そっか」


「蓮伽さんは?蓮伽さんは僕と会った時、どう思ったの?」






後ろから、そっと顔をのぞき込み、不安そうにしている。





「ひとまず、上がろうよ。のぼせちゃった」


「ん.そうだね。準備して、ご飯行こう☆」


「さっきの話しは後で、ね」







二人は露天風呂を後にした。

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