第51話 時が紡いできた、二人を結ぶ約束の糸

確かに咲いている、蓮の花。




・・・・これは、中居さんが言っていた...花。








————————入り口に向かう道で、中居さんが言っていたことがあった。


”「深澤さんと岩本さんは、どういった関係ですか?」


「どういった・・・私は結婚しているのに不謹慎なんですけど

魂が呼んだ相手な気がします。初めて会ったんですけど、その感じがなかった。」


「それは、向こうもですよね?」


「はい、そんなことを言っていました。」


「多分、過去世に約束をして、今世に巡り合っています。

そして、岩本さんはご存じですか?異能の、特にヒーリングに長けている種族は

特定の男性と交わり、本気で絶頂を迎え、男性を受け容れることによって

異能の能力が、最大になるようです。

ですが、なかなか巡り合うことがないので、都市伝説風になっているようですが。」


「え?そうなんですか、私でも知らないことを・・・・よくご存じですね。」


「異能について調べた時に出てきたことなので...噂レベルです。

でも、お二人のオーラ見て、もしかしたらそうかも..と」


「(笑)ご期待に添えるかわかりませんが....」


「お二人は大丈夫な気がします。」


「なんでですか?」


「深澤さんの方があなたを包んでいるから。」


「え?そうなんですか?」


「いくら異能を持っていても、自分のオーラとかは背中なのでわからないですよね(笑)」


「そうですね....(笑)」


「なんでも、何かの花のオーラをまとうようです。

ヒーリングの異能持ちは最高級で【蓮の花】だそうで。

お釈迦様と一緒ですね。.....あ、岩本さんはお名前『蓮伽』ですね。

帰ったら、お母さまに由来を聞いてみたらどうでしょう。」


「そんな、ちゃんとした由来とか入れるセンスとか、母は持ち合わせていないと思います(笑)

ほんとにセンスとか皆無なので(笑)」


「そうですか(笑)、その話は頭のスミに追いやって素敵な夜を過ごしてください。

明日もお休みですから、ゆっくり過ごされて下さいね。」”







「深澤くんのおかげかも、ね。」


「急に何ですか?」


「ん?またの機会に話すよ☆さ、もう寝よ?

疲れちゃったよ、深澤くん、激しすぎるから(笑)」


「今、言われると恥ずかしいですね...(笑)

でも、、、、」


「?でも?」


「まだ、したい......です。」


「(照)ヤダ、何回したと思ってるの(笑)」


「.....でも足りない、ずっと繋がったままでもいいです(笑)」


「体力がさすが、だね。」


「違う、蓮伽さんの躰が良すぎるから。」





そう言って、深澤くんは唇を重ね、舌を絡めた。


「み....て....胸のとこ、深澤くんがいっぱい吸うからアザだらけ(笑)」


「......つけ足りない...」


「んンン...あぁ....ッ.......」


ついばむようにキスマークを付けていく。


「ん....その気にさせようとしてもム..リ(笑)もう、濡れな....」


「見て、これは..何?」


足を掲げ、湿り気が残る陰部から、

指でトロトロな液体をすくって口に含んだ。


「もう......恥ずかしいな...」


「ダメだ....可愛すぎる....、蓮伽さん...したい...」


「ダメって言っても、するでしょ(笑)」


「...うん(笑)。ダメじゃないでしょ・・こんなに溢れているのに」



そう言いながら、足を拡げ顔をうずめた。


「気持ちいい...?蓮伽さんが喘いでるの....可愛くて、

声...興奮する...」


「だっ..って....あっ、気持ち..イイ....ッ、ぁぁぁ.....ッ」


「もっと、顔見たいから、枕に寄りかかって」




少し抱き上げると、枕を背中に入れた。




「蓮伽さん....大好きです。」




.......深澤くんのキスは気持ちがいい。

唇が柔らかくて、少し厚め。



その唇での、愛撫...。

花芯へのキス....

おかしくなるくらいに気持ちが良くて、何度も絶頂を迎える。




手を繋いだまま、花の蜜に引き込まれるように顔をうずめ、蜜を舌で絡めとっていく。



「....ン..可愛すぎて意地悪をしたくなる...」





大きな音を立てて、溢れ続ける蜜を吸われた瞬間の絶頂だった。



イった瞬間に、深澤くんが入ってくる。





もう、気持ちが良すぎてお互いの吐息しか聞こえて来なくなった。

キスを繰り返し、うめき声が絡み、

律動し、奥まで突き擦れる時の混ざり合う音だけが響く。




.....溢れる音も、律動も、突き上げるリズムもそのままに

終わらない波のように寄せては返し、歓喜の声を上げては鳴き、獣のように交わる。





大きい波が二人を包み、果てた。





・・・・・・・






「ね....ぇ....手のひらと小指が熱いんだけど....」



「ん...、僕もさっきから、気になってたんだけど...」



「エッチしすぎかな(笑)」


「(笑)し過ぎではあるけど...関係あるかな」


「ずっと、手、握ったままじゃん、だから。」





すると、小指から温かい光の糸が細く伸び、深澤くんの小指へと巻き付き、

同時に、深澤くんの指からも光の糸が伸び、私の左の薬指へと巻き付いていく.....。





「え....なに..これ...」


「でも、優しくて温かいよ....」





あの声が聞こえて来た。




「深澤くん、聞こえる?」


「聞こえる...男女の声...」




『......お嬢様...愛してる、愛してる...このまま、どこかに..』

『私も......愛してる・・でも...帰らなきゃ、、あぁ..』




・・・・・・不思議な感覚に見舞われた。クラクラする。




『お願い....添い遂げて....二人離れないで..添い..』




・・・・・・・






「....聞いた?」


「ん...聞いた。」


「お嬢様..って言ってた。」


「添い遂げて...って言ってたね。」


「お嬢様は私...?」


「(笑)僕だったら、笑えるね。多分、身分が違うんだね。」


「ん....そうかもね...」


「指に巻き付いた、糸....見えた?」


「もちろん。」


「離れないように、あの二人が結んだのかな。」


「ん...きっとそうだよ、あの二人は昔、引き裂かれた二人で...」


「.....二人で?」


「きっと、私達。これが、一番しっくりくる・・」


「.......そうかも..ね」





二人で横になり、指を見つめた。





深澤くんに見えているのは、当事者だからだと思う。





あの二人は、私達で、どうしても結ばれたくて今世産まれている、はず。





「深澤くん?」





横を見ると、深澤くんは寝息を立てて寝落ちしていた。






(......(笑)当たり前だよね、あんなにしたんだもんね。

数えられないくらいするなんて・・・・)





頬にキスと、胸元にお返しのキスマークを付けて

離れてくれない深澤くんの腕の中で眠りについた....。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る