第19話 深紅の飲み物~魅惑~

待っていてくれ、と言われた場所に腰を下ろした。





————空を見上げると、夕焼けから深い藍色になっていく瞬間で、とても綺麗だった。


(少し、疲れたな・・・)






遠くからキリンが何か気を付けて近づいて来た。





「お待たせしました....!」


「お帰りなさい、アリガト。」


手には二つ飲み物、湯気とともに甘い香りが立ち込める。


「どうぞ。」



受け取った飲み物を見ると、それは、深紅の飲み物だった。


「(笑) ワイン!」


「そうです・・・・サングリア。レンゲさん、飲めますよねお酒?」


「ん、飲めるけど(笑)。意外な飲み物だったのでびっくり。」




・・・一口、コクっと飲むと、優しいフルーツの香りとワインが薫る。


「ん~おいしい。」





優しい香りと飲み心地に、緊張がやっとほぐれた。



「はぁ....疲れたね。」


「疲れましたね~」




・・・・・・・・同時に空を見上げた。




「(笑)」

「(笑)」



深澤くんが続ける。



「あの、レンゲさん。」


「ん..?」


「あの、本気で変な事いうんで、嫌わないで欲しいんですけど。」


「・・・うん。わかった。なぁに?」





意を決したように、大きく息を吸い、言葉を発しようとしている。





(え?え?え?もしかして、いきなり告白・・とか?)

勝手に激しくなる鼓動、ドギマギしていた。(笑)




少しだけ、冷たい風が顔を撫でていく。




「・・・・・・あの、レンゲさんのオーラの色...」

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