第四章 異能持ち、働きに出る準備ととのう

第12話 就職活動

実家から帰宅してからというもの、毎日、多忙を極めた。

高次元と繋がりやすくするためのカラダ作り、負を流す練習や、精神統一....等々、、

他の人には、とてもじゃないけど言えない内容のものに忙殺されていた。










母は、笑いながら言った。

「ほらね、大変でしょ?めんどくさいのよ。こんなんで根を上げていたら、

人は救えないわよ(笑)。」









それを、放棄した人の発言はお気楽でなんともうらやましい。














離婚も進めて行きたいので、就活も同時進行で進めていった。










・・・・希望の仕事に中々、めぐり合わない。




仕事探しも、ただ、お給料が良いだけ、を選ぶのではなく、募集人数が多いものも意図的に選んでいる。

辛さを抱えている人とのめぐり合わせが増えるだろうと踏んでの事だった。





(仕事って、縁なんだよなぁ...)








今、働いているパート先での業務もこなしながらので、フルに動いている。

我ながら、ハード。










——————ある日、ふと目に留まる求人があった。





結構前から、見たような気もする求人だった。






≪ABC株式会社 派遣社員募集~ゆくゆくは契約社員or正社員に!≫








微妙な、キャッチコピー。






他の求人に目を配ろうとしたその時、下に小さく書いてあった一言に、目がいった。






~いつも、誰かの相談に乗っている..というアナタ。

せっかくなので、お金頂きませんか。

リーダー募集、必須条件:人の痛みや悩みに寄り添える懐の深い人。~








・・・・ものすごいハードルの高さだ。






自分、懐深いです。と面接でアピールをすると思うと、少々気が滅入った。





が、賃金が素晴らしすぎる。





時給相談OK!”2000円~2500円”+インセンティブ有。





インセンティブねぇ・・・・相談に乗ることの何に評価が付くのだろうか。




実は危ない仕事なわけ?・・・・。





と思ったが、どうしても気になったので

悩みに悩んだ末とりあえず、話だけでもと思い連絡を取った。







———――――――派遣会社は大手、ということもあって

ちゃんとした会社だった。


求人がずっと掲示されているのは、メインで書かれている求人ではなくて

下に書かれている、リーダーの募集が理由だった。

やはり、なかなか来ないらしい。

来ても、スキルのレベルが自己評価が高くて、

実際面談すると、必要とするレベル以上には達していなくて会社側から断る、のが現状なようだ。

(あれじゃぁ・・・ね)

(ヤバい仕事なのかな・・)






・・・・「もしもし?聞こえてますか?」

ふと、我に返った。

軽く電話で説明を受け、ひとまず、面談が決まった。










いくつか、選考が漏れたときの為に候補を上げておいたが、

ピンと来る仕事がなく、いまいちだった。

あの仕事がどうにも心を占めていた。









鍛練も忘れなかった。

ヨガを行い、瞑想をしながら、宇宙に溶けていく感覚を会得していく。

とても心地が良くて、もっと早くに行えばよかったと後悔した。

体の調子もとても良い。













―————————後日、派遣会社から連絡があった。

無事、【選考通過】したとの事。

研修が就業前にあるので、決まってからは慌ただしかった。


長い間、パートでお世話になっていた会社を退職し、

パートの際、ジーパンで通っていたので洋服を多少買い揃えた。

都心へ通勤するので、化粧品も買い足して万全を期した。








母と娘には、

合コンへいくのかと大笑いされ、

旦那には、

男にでも会いに行くのかとふてくされられた。

(何とでも言ってくれ、どうせ関係なくなるのだから。)





そうして、明日は初日となった。

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