第10話 祖母との対話、宇宙の御胸(みむね)?
ある夜、だった。
その日は何故かひどく眠くて早めに眠りについた。
....しばらくすると、いつもとは違う不思議な感覚が体を襲った。
漆黒にも似た、藍色の宇宙の中に漂っている自分。
温かい光の中に吸い込まれ、そして自分の中に光が徐々に入ってくる......
私は、いよいよ命が終わったのだな...と思った。
でも、・・・・・思考が、ある。
そして、祖母の声が聞こえて、何か語り掛けてくる。
〖蓮伽.....蓮伽.....聞こえますか...〗
(あ、ばあちゃん・・・)
〖今、あなたは宇宙の
蓮伽、今、地球は様々な困難を迎え始めました。
人々は増え、生命の息吹、息づかいは少なくなり、より無機質になり、
本来の豊かなものが忘れられつつあります。
その中で、人々は削られ始めています。
蓮伽、今こそ「異能」が必要な時です。命のギフトである『子どもたち』も苦しそうです。
そして、何より『碧き美しい地球が』灰色の大きなものに覆われているのです。
今なら見えるはずです、目を開けなさい。〗
目を開けるのが怖かった。
開けられなかったら、それは命が消えたことを意味するから。
〖蓮伽、自分の瞳に今の地球を写すのです。大丈夫、あなたの命は尽きてはいないから。〗
・・・・・・おそるおそる、目を開けた。
・・・・・・・まず、自分の意志で目を開けられたということは、生きている。(安堵)
そこには、本や写真で見るような、碧く翡翠色に輝く美しい地球はなく、
薄い灰色のもやに覆われた地球があった。
〖見えましたか?普通の人間にはこれは見えないのですよ、蓮伽。〗
ばあちゃんに問いかける。
(この色は・・・なぜ・・・?)
〖これは、人間が発しているものです。寂しさとか、苦しさ...人々の負の感情です。
豊かに、穏やかに暮らしていないということなの。心に、影を抱え暮らしている人々が多い。ということ。
このままでいると、また地球の淘汰のパワーが強大になりかねないのですよ...〗
・・・・・地球の淘汰のパワー..か。
...そっか、見えないものの采配によってバランスを取らされているんだ、私たち。
(ばあちゃん、どうしたらいい?私に出来る事が、あるの?教えて...??)
〖きっと、あなたの中に答えがありますよ。心に問いかけ、向きあい、答えを出すのです。導かれるはず。
蓮伽、あなたは一人ではありませんよ。支え、助けてくれる、other harfが待っている。
使命のあるあなたを優しく深い愛で包んでくれる人。
蓮伽、あなたは強く、更に優しく柔らかくならなければならない。見守っていますよ。〗
(ばあちゃん...!)
勢いで、目を開け起き上がると現実に戻っていた。
どうやら、命はあったようだ。
時計を見ると、まだ夜中になったばかりの0時過ぎだった。
フワッとした不思議な感覚がまだ残っている。
勢いよく、起きたので娘のリョウが一瞬びっくりして目を見開いた。
旦那の夜這い防止の為に一緒に寝てもらっている。
「どうしたの、ママ?」
「ん、ちょっと夢..?というか、不思議な空間にいた。」
「不思議な空間・・・」
「宇宙で、フワッと浮いているカンジ」
「・・・・・」
「・・・・・?」
「私、ちょいちょいあるよ。」
どうやら、というか、やっぱりリョウの方が異能の覚醒は早そうだ。
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