第6話 女子は何《なん》にもできない方が、この時代でもモテるのか?
大事なことはいつも一人で決めてきた———。
離婚については、最初にボールを投げたのは旦那だ。
セックスレスが嫌で離婚という言葉をこの世に解き放った。
以前からも、何かあれば「離婚」の二文字を声にして威圧してきた。
今までは、それはホントに決定打になる事なので私の方で交わしてきた。
旦那本人も、許しを
前回は違った。
また、離婚の二文字を口にしたので、「わかった、今度話そう。」と返事した。
旦那は、
「ホントにいいのか?」と、何度も訪ねてきた。
自分で、けしかけたくせに何て言い草だ。
「何度も、あなたが口にしてきたことじゃない?だから、ここら辺で応じようと。」
「それは・・・あやまってくれば許そうと思ってたから、本気じゃなくて・・・」
「本気じゃないのに、そんな事簡単にいうんだ。脅し?」
「・・・・・・」
「尚更、人として最悪なんだけど。そういうとこ、だよ。
今じゃないけど、今ある数々の要件が落ち着いたらね。その時は私から声掛けるから。」
旦那は、明らかに動揺した。
女は、決めたら早い。
『媚びない。』
基本的な、私のスタンスである。
旦那はそんな私がいぶかしかったのかもしれないし、もっと頼って欲しかったのかもしれない。
全部自分で決めて、責任も取れる嫁。
要領があまり良くない旦那に、何でも効率よくやる私・・・
それでも、娘が小さい時はパートで働いて、給料は旦那がメインだったから、うちでは王様だった。
俺様気質の彼を王様に祭り上げてしまったのかもしれない。
————誰と付き合っても、私に何かしてくれる人はいなかった。
別れるときはみんなが似たり寄ったりなことを言った。
【お前といると、何もしなくても平気な自分になってくる。】
その傷は切り傷となって、心に残り、蓄積してきた。
私はホントに甘え下手で、自分でも可愛くないな、と思う。
「できな~い♪」と言えない。
負けず嫌いで、人より出来ないことがあるのがイヤだったりする。
【男子は、できない女性のほうが可愛い】
の、時代の生まれなので損をしてきた。
実際、若い時はもっと生意気だったし、
上司に「お前、男だったら最高によかったのにな。」としょっちゅう言われていた。
自分でも思っていたよ、男だったら人生違っていたな。って。
今更、何を言っても、私は”ワタシ”なのだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます