第59話

「じゃあ、兄さん宜しくお願いします。」



僕は、晶の今後について

先ずは精神科ヘ転院する事に決め


兄さんに頼んで女性医師がいる

精神科を探してもらっていたところ

ようやく、見付かった。


今より、少し遠くはなるが

面会にいけない距離ではないのでそこに決めた。



「晶。来週、転院する事が決まりましたよ」


「え、あたし…どこに行くの?」


「精神科の病院です。女性の先生が

主治医になってくださるので、安心してください」


「…そっかぁ、ねぇ…桐人?

あたしの記憶って、戻るのかな?」


「うーん。それは…わかりません、

個人差はありますが、数日で戻る人もいれば

十数年戻らない人もいるそうです。」


「んー。そうなんだ…」


「晶、あなたの記憶が戻っても

戻らなくても、僕の気持ちは変わりません

何があっても…、あなたを愛しています。」


「ありがとう、桐人////」



春の木漏れ日の中

微笑む晶の瞳は…少し潤んでいた

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