第20話
訳もわからずお湯を沸かしてお茶の用意をした。
部屋の中ではカチャカチャと食器の音だけが聞こえる。
「……」
って、なんで私も家に入れてるんだろ。
あの時は風邪引いて弱ってたから仕方なかったけど、今は風邪も治って課長が家に来る意味なんてないのに。
それがただ、ご飯食べるためだけって。
こんなことが課長のお仕置き?
頭の中で悶々と考えながらキッチンに立っていると、急に後ろから抱きしめられた。
「!!」
「飯食いに来ただけと思った?」
耳の横で低い声で囁きかける課長。
「なっ、なんですか!?」
「言ったろ、お仕置きって」
がっしりと腕を回され、すっぽりと課長の体に包まれてしまった。
「お、お仕置き!? え!? わっ!」
そう言うと、クルリと体を反転させられたと思った途端また唇を塞がれた。
「んっ!」
バタバタと昼間の抵抗より強く反発してみても、やっぱりどうしても身動き出来ないくらいに強く抱きしめられている。
「んーっ!か、かちょ…」
昼間の時よりも強く深く息つく暇もなく舌が絡みついてくる。
体が溶けてしまいそうだ。
やっと離れたと思った途端、またフワリと体が浮いてお姫様抱っこでベッドまで連れていかれた。
「ちょ!課長!なに!?」
腕を立てて私に覆い被さっている課長。
少し上気した顔は今まで見た以上に艶かしくて、私の心臓は激しく脈打ったままだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます