第70話

チューベローズの甘ったるい香りが鼻腔を潜り、脳みそを酔わせる。




「厭ぁあああああっ…ぁああっ。」



お気に入りのワンピースが引き千切られて、ぼたんがそこら中に散らばった。



強引に露出された自らの肌に、綴が噛み付いた傍らで。


ワンピースの裾から遠慮なく手を這わせ、下着を脱がせた語の熱が、私の奥へと挿入された。




予期していなかった強烈な刺激と、まだ慣らされてもいない躰に突然与えられた大きな快楽。


受け入れ切れなかった代償に、躰がビクビクと痙攣して息を殺される。




まだ震えている腰を掴まれすぐに襲い掛かった律動に、視界のあちらこちらで花火が上がって散っていく。




「…っっ…ハァ…ハァ…待って…苦し…。」


「あはは、苦しくしてるんだから当然じゃない。愚かな事を云わないでよ夜ちゃん。」


「厭…厭…厭ぁあっ…ぁああっ…また…っっ…。」



上半身に着けていたランジェリーもずらされ、膨らんだ胸の突起へ綴が歯を立て新しい制裁を追加する。




「綴ってば夜の乳首噛んだでしょう?今ので、夜の中が締まったよ。」


「どう?濡れてないままの夜ちゃんと繋がった気分は?」


「ふふっ、既にぐしょぐしょのトロトロなの。」


「夜ちゃんはどうしようもない淫乱だね。」




可笑しい。


この状態で普通に会話を愉しむこの双子は可笑しい。




狂っている。


狂気に、染まっている。

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