第4話
「相性を確認したいので、暫く三人に致します、退席願います。」
ここに連れて来られてから、ずっと扉の前で佇んでいた男性が機械みたいに淡々とした口調で言葉を放った。
それに頷いたのは、私の父親だった。
「それじゃあ、どうか宜しく頼んだよ夜永。」
ポンっと、私の肩を軽く叩いた相手。
それが重責を背負わされた合図だとも知らずに、ただただ首を傾げる事しかできなかった。
見知らぬ男性と父親が部屋からいなくなり、私は初対面の綺麗な少年二人と取り残されてしまった。
「どう思う?語。」
「とても可愛いと思う。」
「うんうん、僕も同じ事を思ったの。」
「今までの人間は
「うんうん、とっても可愛いね。」
窓辺に座っている二人が初めて口を開いたかと思えば、軽快なテンポで会話を弾ませている。
不思議に思ったのは、父が綴君と紹介した子が語君と呼称されていて、父が語君と紹介した子が綴君と呼称されていた事だった。
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