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第7話

数日後。



繊維会社の経理で働く私の隣には、あの安達の彼女の真嶋さんが座っている。



少しふくよかで、笑った顔が癒される癒し系の彼女。

彼女の幸せそうな笑顔を見るたびに、二人の仲を裂くなんてできるわけがないといつも思ってしまう。



それなのにいつまでもいつまでも執着して、私は一体どうしたいのか自分でも分からなくなってきている。



「はぁ……」


「結城さん、お疲れですか?」


「あ、うん。ちょっと肩が凝ったかな」



そう言うと、おもむろに自席の机の引き出しから何かを取り出した真嶋さん。



「内緒ですけど、癒しのひとときにこれどうぞ」



コソコソと耳打ちするように近づいてくると、手のひらに乗せた白くて丸いものを私に差し出した。



「富く屋のお饅頭です。昨日やっと買えたので、結城さんにおひとつ渡そうと思って持って来たんです。どうぞ」



癒し系の笑顔で私の手のひらの上にポンと乗せてくれた。

確か、ここのお饅頭は数量限定でなかなか手に入らないと聞いていたお店だ。



「もしかして、安達と一緒に買いに行ったの?」


「うふふ、実は私が食べたいって言ったら買ってきてくれたんです。結城さんの分までちゃっかりお願いしました。なので、みんなには内緒ですよ」



と可愛らしく報告してくれる。

そんなところも憎めない。やっぱり真嶋さんには敵わないと思ってしまう。

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