身の上話

第46話

―午前11時前―


…「さてと!そろそろ来るよね。

魅麓は、アイツが何を話しても!

絶対に同情しちゃダメだからね?」

「うん!わかった!!」

「で、話し聞いたら。もう電話しないでくれ!って言って、絶ち切るようにね!」

「はい!瑞季様♡!」


…数分後。

「…………あ!アイツじゃない?」

「!!…。」


「魅麓!!」

……司が、駆け寄って来た!

2年振りに、見た司は…。

精神的に滅入っている様に見えた…。。


「おい!!席に座れよ!!」

瑞季が、言った。

駆け寄って来た司が……そのままの勢いで

俺を"抱き締めよう"と、したからだ…。

「…。」 司は…我にかえって、席に座った。


「よし、でわ。今から1時間だからね!」

「……わかっている。」


司が、ぽつりぽつり…と、話し始めた。

「…俺は、お前と別れて。…から。

すぐに、結婚したんだ。自棄をおこしてな…」

「……。」瑞季と2人で、黙って聞いていた。


「そして……先月、子供が……産まれた。」

「!?……。」

「だが、女児だったんだ…意味わかるよな?」

「………。。」俺は、頷いた。


「それで、なぜ!男児じゃないんだ!…と。

散々、父親に…責められた。。」

「…それは、司のせいじゃ…「魅麓。聞こう。」

すかさず、瑞季は…俺が"同情"しない様に

司の話を促した。


「…俺。1人っ子だと、言ってただろ?…

実は、本当は。……姉が3人居るんだ。」

「…!?」

「今は、もう3人とも。嫁いでいる。

だから…俺は、単に"後継ぎ"の…為だけに

産まれてきただけで……。そして…。

俺もまた…後継ぎを…産む為に存在してる。」

………。司が…黙り込んだ。。


沈黙を破ったのは、瑞季だった。

「それで?…何で、魅麓に連絡してきたの?」

……「そ、それは………。。」

その質問に…司は、明らかに動揺していた。

瑞季が、続けて話した。


「要するに。…"子供"云々うんぬんが、

関係の無い、魅麓を…。抱きたくなった…?

って、事だよね?…現実逃避だろ!それ!

魅麓を、何だと思ってんの!!

ふざけんなよ!!」


司は…それ以上…話す事はなかった。


「…ねぇ。話しはそれだけ?…。

もう、黙ってるなのら。僕達、帰るよ。

行こう、魅麓!」


俺も、瑞季の言うとおり。…怒っていた。


…いくらなんでも、現実逃避の"玩具"に、

なんて!……むしがよすぎる。。

「…もう、電話してこないで!!」


「……魅麓。」

「もう、司なんか!大嫌い!!」


瑞季と2人で、カフェをあとにした。



























……ピッ♪~♪♪~「今の2人だ…尾行しろ。」

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